第108回日本外科学会長崎に参加発表して:徳村報告
わずか第1日だけの参加でしたが個人的感想を一言。
サージカルフォーラム(SF)で急性胆嚢炎の腹腔鏡下胆嚢摘出術の演題を発表しました。多くの質問をいただきました。手前味噌ながら、そしてさすが外科学会、すばらしい質疑応答が出来たと思います。質問骨子は、急性期手術で開腹移行はほとんどないのだから結論をそこに持ってきて、急性期手術をもっと推奨すべきだ。対象例、急性胆嚢炎の待機手術例、早期手術例、PTGTBD後の待機手術例の比較検討は、症例の選択そして術者でバイアスがかかっているので無理ではないか。PTGBDは癒着をかえって助長するのではないか。また待機手術例の困難例を見分ける方法は何か。などの当を得た質問で感謝でした。答えは、早期手術をどんどん推奨するのに大賛成です。ただ紹介の時点で、すでに急性期を過ぎているのも少なくない。バイアスは、PTGBD例はもっとも炎症が強い症例群であるから、もっと差があるだろう。つまりPTGBDの消炎効果はもっとすばらしく大きいのではないか。術者は2200例までは私が関わっていた。これによって推量されることは、待機手術例は、今回の発表よりもっと成績が悪い可能性があった。PTGBDは、大網癒着を柔らかくする効果がある、と考えている。以上でした。
腹腔鏡下大腸癌のビデオセッションの内容をかいつまんで。広島大岡島先生の小気味のいいそして的確なコメントを挟みながらの名司会で進行しました。
直腸癌ではRsなどでテーピングし、それを助手の右手鉗子で持つ。子宮は吊り糸で必ず挙げる。剥離の要点は、疎性結合組織「あわあわ」を、背側に落としながら剥離。これは、我らが岩手医大大塚先生のご発表。直腸尾骨靱帯:hiatal lig.これは今注目の用語。肥満例、子宮筋腫などは、10mm鉗子で大きくやんわり掴むべし。